老人性色素斑(日光黒子)・雀卵斑(そばかす)・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM、別名:両側性太田母斑様色素斑)
レーザー光線は、その種類によって、吸収される物質(色)が決まっています。
吸収されると、熱が発生し、その物質を破壊します。
シミを取るためには、メラニン(黒色)に反応する種類のレーザー光線を照射すればよいのです。
シミ(黒い部分)だけが取れ、周囲の皮膚にはほとんど影響ありません。
Qスイッチ-YAGレーザー(以下、Q-YAGとします)は、532nmと1,064nmの二つの波長の光を出すことができます。
532nmは、メラニンの吸収率が高く、皮膚の浅いところにとどまるので、皮膚の浅いところ(表皮内)にメラニンがあるシミに用います。
1,064nmは、皮膚の深部に到達するので、皮膚の深いところ(真皮内)にメラニンがあるシミ(ADM)や、青アザ(大田母斑)に用います。
ルビーレーザーやアレキサンドライトレーザーと比べ、合併症である色素脱失が起こりにくいのが特徴です。
老人性色素斑(日光黒子)や雀卵斑(そばかす)なら、基本的には1回です。
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)のようなメラニンが深いところにあるシミや大田母斑(青アザ)は、6ヶ月に1回の頻度で、数回の治療が必要です。
炎症後色素沈着や扁平母斑(茶アザ)のように、効果が不安定なものは、まず一部にテスト照射をお受けください。
テスト照射の判定は6ヵ月後です。
照射部位の産毛やヒゲは剃ってきてください(傷にならないように)。
顔面全体のメイクを落として、洗顔してください。
皮膚の浅いところ(表皮内)にメラニンがあるタイプのシミ(老人性色素斑や雀卵斑)なら、輪ゴムではじかれる程度の痛みですので、局所麻酔は不要です。
皮膚の深いところ(真皮内)にメラニンがあるタイプのシミ(ADM)や、メラニンが浅いところにあっても広範囲に及ぶものは、局所麻酔をすることがあります。
眼瞼や目の周りの皮膚が薄いところに照射するときは、眼球保護のために、専用のコンタクトレンズを装着する必要があります。
一過性炎症後色素沈着ができないようにするか、できても、軽度のものにするには、具体的には、三つのことを守っていただく必要があります。
一つ目は、痂皮が付着している間は、軟膏塗布やガーゼ・絆創膏での保護が必要です。
二つ目は、痂皮が取れた後の肌が赤みを帯びているときに、けっして引っ掻いたりこすったりしないでください。
引っ掻かない・こすらないというのは、なにも特別爪を立てるとかいう意味ではなく、洗顔のときに照射部位をそっと洗うことや、お化粧のときに照射部位をそっと触る等の、日常の動作が含まれます。
最後に三つ目は、日焼けしないということです。
日焼けはあらゆるシミの原因となり、あらゆるシミの増悪因子になります。
ポイントは、自宅での処置にありです。
自宅での処置や注意が、シミを残すか残さないかを左右しております。
70~80%は、自宅での処置や注意にかかっているのです。
もし、シミができてしまっても、ほとんどの場合、自然に消えていきます。
あせって何か塗って、万一かぶれてしまと、消えるのが遅くなったり、消えなくなることもまれにあるので注意が必要です。
照射1ヶ月後は炎症後色素沈着が一番濃くなるころ
炎症後色素沈着ができてしまっても自然消失が期待できます。
シミが必ずできるという意味ではありません。
シミを早く消すためにハイドロキノンを塗ってよい
しかし、ハイドロキノンでかぶれると、
かえってシミが消えるのが遅れる
まだ自然消失が期待できますが、
ハイドロキノンを塗ってもかまいません。
さらにトレチノインを塗ってもかまいません。
自然消失は期待できません。
ハイドロキノンを塗りましょう。
トレチノインを塗りましょう。
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